12の月 「約束」

 


 

最後の月がやってきた。1年が又終わる。
12の月、365の昼と夜。
9000近くの時の中で、君と過ごせた刻はほんの僅かで…。
指で数えると空しくなる。


遙かなる空を住処とする君と
砂漠の地を住処とする私が
12の月を共に過ごす事は叶わない。
だから、せめてこの最後の月に君と過ごす刻が欲しい……。

……こんな少女の様な事、君は嗤うだろうね。
でも、一年前……あの聖なる夜。
君の気紛れで叶った一夜。
あの時から、私はこんな少女の様な願いを抱く様になってしまったよ。


12の最後の月。
君は今、何処の空を翔ているのだろうか?

一年前…12の最後の月。
あの聖なる夜、あの「約束」を…セッツァー?
君は覚えているだろうか……。


     (Edgar.Roni.Figaro@Hayakawaモノローグ) 

 


 

 

「約束」への「約束」

 

 

 最後の月がやって来た。一年が又終わる。
 節目の時、別れの月。
 だと云うのに、見上げた空は穏やかで、暖かい。
 遠い遠い、砂漠の国の空も、今日はきっと穏やかで、暖かいのだろう。
 
 あの馬鹿のことだから、どうせ。
 今頃、こんなに穏やかな空を見上げて、寂しいことでも考えてやがるんだろうな。
 俺に面と向かっては絶対に言いやしねえ想いでも、過らせてやがるんだろうな。

 あの馬鹿は、時折、忘れるから。
 俺だって、365回の昼と夜、共に過ごすこと叶うなら、と思ってるんだってことを。
 一一砂漠の国でも、今日はきっと穏やかだろうこの空を見上げて、それを思い出してくれたらいいのに。
 俺が、『約束』を違えたことがないんだって、事実も。
 
 ……エドガー?
 遠い遠い、砂漠の国で、聞いているか? エドガー?
 約束してやるよ。
 お前が、不安など覚える必要はないと。
 お前と交わした約束だけは、決して、忘れはしないと。
 
     Setzer.Gabbiani@海野  

 


 

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