final fantasy VI 『受信メール』 　 前書きに代えて 　 　書いた当人、あんまり気にしてはいなかったのですが。 　私が思っていたよりも、『今日の陛下』のおまけの中に出て来た、「合コン」、あれの事を気に掛けて下さった方が多くいらっしゃったので。 　今回は、それ絡みのお話。 　携帯メールの、受信記録です。 　メールのタイトルと、受信時間に注目してお読み頂ければ幸い。 　では、どうぞ。 　 　 　Edgar 　×/×　10:18 　昨日 　君、何処に居たんだい？ 　一寸ね、所用があって、昼過ぎ、携帯を鳴らしてみたのだけれど、君、出なかったろう？ 　仕事中だった？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　11:01 　Re:昨日 　仕事中だった訳じゃないんだ。 　昨日は、実は休みでな。何時もの連中と、飲みに出てた。 　だから、電話が鳴った事は、気が付かなかったんだと思う。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　11:40 　昼間から？ 　飲んでたって……。あんな、午後の早い内から？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　12:05 　いつもの 　>あんな、午後の早い内から？ 　何時もの事だろう。 　お前だって、知らない訳じゃあるまい？ 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　12:30 　なら 　まあね。何時もの事だと、知ってはいるよ。 　……じゃあ、昨日は仕官学校の仲間達と出掛けていたんだね？ 　だから、マッシュも一緒だったんだね？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　12:54 　マッシュ？ 　何時もの連中だって書いたろうが、さっき。 　……ああ、そりゃあ…仕官学校の連れ共も、何時もの連中だが…。 　どうして、そこにマッシュが出て来るんだ？ 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　13:17 　本人が 　夕べ、マッシュ本人が、昼間、君と一緒だったと言う様な事を言っていたのだけれど。 　違うのかい？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　13:40 　Re:本人が 　そりゃあ、何かの間違いだろう？ 　昨日は、あいつは居なかったと思ったが……。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　13:53 　休み 　ふうん。そう。別に、大した事じゃないから、私はどうでも良いのだけれど。 　面白い話だと思って。 　確か昨日の朝、マッシュは、陸軍のレディ達と一緒に、出掛ける様な事を告げて出て行ったから。 　あいつも、休みだったみたいでね。 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　14:07 　Re:休み 　それこそ、何かの間違いだ。 　どうして俺が、陸軍の、しかも女共と一緒に出掛けなきゃならねえんだ。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　14:15 　噂 　じいやがしていた話ではね。どうも、昨日はマッシュの奴、合コンと言う集まりに出ていたみたいで。 　交際を始められた方がおいでになるらしいのに、そう言う場所に出掛けられて揉めはしないかと、愚痴も零していたっけ。 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　14:23 　どうして 　知らねえよ。そんな事は。それは、マッシュとティナの問題だろう？ 　本当に合コンにマッシュが出てたってんなら、怒るのはティナだろうが。 　どうして、そんな話を俺にするんだ？ 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　14:30 　合コン 　それは、その通りだけれど。別に、他意はないよ。 　私は良く知らないけれど。合コンって、そんなに楽しいもの？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　14:37 　Re:合コン 　俺が知るか、そんな事。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　14:52 　Re:Re:合コン 　だって、君は、そう言う事、経験あるんだろう？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　14:58 　Re:Re:Re:合コン 　全く、経験がない、とは言わない。が、楽しいものじゃねえと思うぞ。 　だから。どうして、そんな話を一々、今、わざわざ、俺に聞いて来るんだ、お前はっ。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　15:04 　楽しくない？ 　>楽しいものじゃねえと思うぞ。 　……そう言うもの？　じゃあ、昨日も楽しくなかったのかい？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　15:08 　Re:楽しくない？ 　昨日は、俺は飲んでたっつってんだろうがっっっ。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　15:13 　ああ、そう 　ふうん。……じゃあ、君、昨日どうして、この間オープンしたばかりのアミューズメントパークに、いたんだい？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　15:16 　アミューズメントパーク 　俺が、遊園地くんだりまで出掛けて、喜ぶタイプだと思うのか、お前は。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　15:20 　Re:アミューズメントパーク 　陸軍の女性陣の御所望だったそうじゃないか。君の趣味に、遊園地で遊ぶ事がないとしても、そう言う問題ではないのだろう？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　15:24 　お前 　……俺の話を聞いてねえだろう。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　15:27 　当然 　休みだった事を黙っていた挙げ句に、私に内緒で、合コンとやらに出掛ける恋人の言い訳に、貸す様な耳は持ち合わせていないから。 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　15:30 　嘘だとでも？ 　俺の言う事が、信じられないって言うのか？ 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　15:32 　Re:嘘だとでも？ 　君ね。未だ、しらを切るつもりかい？　私が当て推量で物を言っているとでも？ 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　15:34 　Re:Re:嘘だとでも？ 　どう言う意味だ。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　15:40 　Re:Re:Re:嘘だとでも？ 　昨日。君が休みだって事を聞き付けたマッシュに、引きずっていかれたそうだね。合コンに。 　最初から、正直に打ち明けていれば、何も言わずにおいたのに。 　それとも、私には言えない事でもあったと？　…まあ、そんな事がある筈はないと思っているけれど。 　……別に、気にしてる訳じゃないし。君には君の、付き合いもあるのだろうし。 　唯、正直に打ち明けて欲しかっただけ。耳にして、気分の良い話ではないから。 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　15:48 　悪かった 　……悪かった。謝る。とぼけてみせたのは、お前の機嫌を損ねると思ったからで、お前に言えない様な事があった訳じゃない。マッシュに拝み倒されて、頭数合わせで、行っただけだ。 　頼むから、機嫌を直してくれ。埋め合わせは、今度する。 　詳しい成りゆきは、今夜にでもちゃんと話すから。 　俺が愛してるのはお前だけだって、判ってるだろう？ 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　15:55 　知ってる 　それは、知ってる。判ってる。私だって、愛してるのは君だけだよ。 　だから、隠し事をされたのが、一寸癪に触ったんだ。 　──埋め合わせ、期待してるから。 　この「埋め合わせ」は、高いと思っておいた方が、いいと思うよ。 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　16:03 　ああ 　覚悟してる……。 　兎に角。話は後だ。説明はする。埋め合わせもする。だから、機嫌を損ねるな。 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　16:11 　Re:ああ 　だから、別に私は、怒っている訳じゃないんだ。 　……そうそう。その、君達が出掛けたと言う、オープンしたてのアミューズメントパーク、私も少し、興味があって。今度、付き合ってくれないか？　……何か、「楽しい」事があるんだって？　君を、遊園地に連れて行くと。 　----------- 　E.F 　 　Setzer 　×/×　16:18 　エドガー 　…続きは、又、夜にな。 　これから、訓練だから、電源、切るぞ。 　愛してる。 　----------- 　S.G 　 　 　Setzer 　×/×　16:23 　覚えてろよ 　マッシュっっ!!　てめえっ！　どうして、この間、お前に付き合って渋々参加してやった合コンの話を、エドガーが知ってやがるんだっっ。お前、口割ったのかっ？　あいつ、完璧に怒ってやがるじゃねえかっっ。 　お前が口を割ったんじゃねえってんなら。どっからそれが洩れたのか調べてこねえと、俺にも考えがあるぞ。 　判ってるな？ 　----------- 　S.G 　 　Edgar 　×/×　16:25 　話が 　今夜、お前に話があるから。 　仕事が終ったら、真直ぐ帰って来る様に。いいね？　マッシュ。 　どうやら、お前には言って聞かせないといけない事があるみたいだから。 　──ああ、大した話ではないんだよ。たまには一緒に食事でも食べながら、話をしよう。 　----------- 　E.F 　 END 　 　 後書きに代えて 　 　なかった訳じゃないんですよ。合コンの設定（笑）。 　なので、書いてみました。 　人生には、色々な受難があるのです。ええ。 　しかし、女子高生の様ですね、このお二人。 　彼等が、携帯を手に、ちきちきメールを打っている姿を想像するだけで、私は吹き出す事が出来ます（笑）。……ああ、馬鹿だ……。馬鹿だわ……（笑）。 　宜しければ、感想など、お待ちしております。