……ふふん。
卒業式の日までに、絶対に京一を落とす! っていうのは、どう考えても無理そうだったから、『そこ』だけは目を瞑ったけど。
京一のこと、諦めるつもりなんかこれっぽっちも無いし、何となく、『あの日』以来、京一、今までとは少し違う感じで優しいから、中国でも何処でも付いてって、今まで以上にベッタリしてやるんだ。
そんな風にして何年も過ごせば、きっと京一だって絆されると思うし!
──何だかこの数日、僕の方チラチラ盗み見て、考え事ばっかりしてたみたいだけど。
だから、もしかしてもしかすると、京一は、中国に行くなんて僕の為にならないから、一人で……、とか何とか、余計な気を遣って悩んでたかも知れないけど。
……………………ふっ、甘い。
どうして、そんなこと考えたのか知らないけどね、全部が僕の想像通りなら、そんなこと、本当に余計なお世話。
京一のこと、逃す気なんか無いんだから。
……ああ、数年後が楽しみ。
ずっと一緒に暮らして、ご飯のお世話とか色々、ばっちり尽くせば、きっと、計画通りに!
尤も、全てが全て、計画通りに行かなかったとしても大丈夫。
修行には最適って言い訳して、三六〇度見渡す限り、女の子なんか何処にもいない僻地に連れ込めば、ノープロブレム。
男なんて所詮動物、性欲の発散先が無かったら、相手が男だろうが何だろうが手近な相手に向く筈、始まりなんかそれでいい、既成事実大事、フォローなんて後で幾らだって!
────アパートを出る直前も。
出た直後も。
流石にシーズンだけのことはあり、彼等のように、春の善き日、卒業を迎えた学生達が溢れ返る新宿の街を行っていた間も。
こっ……そりと、龍麻がそんなことを考え、心の中で小さくガッツポーズを決めていたことを、京一は知らない。
End
後書きに代えて
これは、二〇一〇年の冬コミで出した本の再録です。
既に十年も前に書いた物なので、色々諸々がナニなのですが、手を入れると、一から十まで書き直しになっちゃうので(笑)、誤字脱字と、「これは、一寸日本語じゃないかも」と感じてしまった数ヶ所を直した程度での再録ですが、御容赦下さい。
ま、その辺は、男前に潔く(笑)。
──この本の後書きに代わりに添えさせて頂いた物に書いた通り、京主三号機は、このお話限定の彼等です。恐らく、三号機達の続きを書くことは無いんじゃないかな。
んで以て、その中には、『本当は、二〇〇九年に参加させて頂いた、魔人学園のオンリーイベント用に捻り出したネタで、当初、龍麻さん@三号機は『ガチ』な人でなく、私だったらブン殴ってしまうかも知れないくらい、超絶うじうじ君にしてみる予定だったのに、その所為で没の憂き目に遭ったので、別方向(?)で鬱陶しくしてみたら、こんなことになった』みたいなことも書いてあるのですが。
ここでも再度言う、こうなった最大の原因は、某友人の、「この話の龍麻は、ガチなのとかいいよ!」ってな発言の所為です。
……だから、私は悪くない。例え、責任の八割が私にあるとしても(笑)。
──それでは皆様、宜しければご感想など、お待ちしております。