授かり物


09/06/2002 拒否権発動(記載・お子様ず)

……何? 父上も母上も、改まった顔して。
どうかしたの? 何かあったの?
は……? 泉の神様?
…………ああ、あの話。でも、今更、だと思うけど。
うん、それは、ね。僕等だってもう、こんな風に大きくなったから、小耳に挟んだことだってあるよ。
大体ね、父上も母上も。
僕等がたった一年でここまで成長したと云ってもだよ?
僕もセーラも、そろそろ成人してもおかしくないのに、何時までも、男の母上に子供が産めた、なんて信じてるとでも思ってたの?
ママは男なのにどうしてママなの? なんて聴いてた頃とは違うんだから。
一一いいじゃない。例え僕等が、泉の神様だかに授かった子供だったとしたって。母上がお腹痛めて産んだんじゃなくったって。
僕は見た目父上そっくりで、中身母上そっくりなんだし。セーラは見た目母上そっくりで、中身父上そっくりなんだから。
どう見たって親子じゃない。
僕はそれで納得してるし、満足してるけど?
…………はあ? その話じゃない…って?
……………………。
ふうん。このままここにいたら、僕達は急激に年老いて、死ぬって?
……だから?
それが、どうしたって云うの。些細なことじゃないか。

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何よ。父様と母様と、二人揃っちゃって。
らしくなく、神妙な顔されたって、私は大人しくなんかしないわよ。
……え? ああ、知ってるわよ、私だって。
エアネスだって知ってたでしょ? 大体今時、誰が信じるの。男の母様が、気合いで子供産める筈もないでしょ。
父様は気合いで、母様のお腹、大きくしそうだけど。
…あー、はいはい。言い過ぎました。御免なさい。
でも、嘘じゃないと思うわ。
……だからー。私とエアネスが、泉の神様の授かり物だ、なんてこと、とっくに知って…………一一一一。
え? このままだと死んじゃうから? 神界に行くか、って?
…………いや、よ。
じょーーーだんじゃないわ。誰がそんなこと、決める権利があるって云うの。
父様の言い付けでも母様の言い付けでも、これだけは聴かないから。
あのねえ。
私はエアネスと、ずっと一緒にいるって決めたの。
エアネスとも、父様とも母様とも、他の皆とも、一緒って、子供の頃、エアネスと約束したのよ。
だから、嫌。
…………じゃあ、聴くけど。エアネスが、行くって云った? 云わないでしょ?
どうだっていいじゃないの、その程度のこと。
…………怒ったって無駄よ。
私にもエアネスにも、その程度のこと、なんですからね。

09/07/2002 親子喧嘩(記載・『天の声』@御両親VSお子様ず)
母上の逆鱗

些細なこと?
お前達をこのままにしておいたら、瞬く間に老いてしまうだろう、死んでしまうだろう、その事実が、些細なことでしかないと、お前は云うのかい? エアネス。
そのことを、どれだけ私達が気に病んで、心配したと思ってるんだ、お前は。
それでも些細なこと、と?
私達だって、お前も、セーラも、手放したくなんかない。
何処にも行かせたくなんかない。
でも、そうしないと、お前達が死んでしまうと云うなら……と、そう思ったから。
苦渋を飲んで、この話をお前に切り出したのに。
お前達が、私達よりもずっとずっと早く、年老いて行く処など、私は見たくもない。
ましてや、お前達を死によって、失うのも御免だ。
そう思うから…………。
なのに……それを……些細な、こと………?
親を馬鹿にするのも、いい加減にしなさい。


長男の反論

母上の云いたいことは、良く判るよ。
別に、父上と母上を、馬鹿にしてる訳じゃないさ、僕だって。
心配してくれてるんだろうなって云うのはね、よーく判ってます。
でもね。
神界に引き取られて、父上や母上達と離れて暮らすってことに比べれば、このままだったら僕達が死んでしまうかも知れないって云う事実なんて、些細なことなんだよ、僕達にしてみればね。
望まない生活の中で、唯生きるって云うことが、幸福であるとは限らない……って、父上と母上は、それを実証して来たんじゃなかった?
少なくとも、父上と母上の恋愛は、そう云う類いのものだったって、僕は聴いてるけど。
……人のこと、言えないじゃないか、二人共。
誰だったっけ? 世界中の全てを敵に廻しても、添い遂げられればいいんだって、思い詰めたことのある人達って。
確か、自分達の幸福は、自分達で定めて掴む、んだったよね? 父上? 母上?


父様の逆鱗

図体はでっかくなったが、中身は未だお子様か? セーラ。
未だ、担ぎ上げられて、ケツ叩かれなきゃ、判らない年か?
その程度のこと、ってのは、どう云う了見だ。
てめえらよりも先に子供が死ぬのを見たい親なんざ、この世にいねえんだよ。
お前やエアネスを手放したくって、俺達は、こんな選択をしたんじゃない。
手放しさえすれば、お前達が生きてるってんなら、そう思ったからだ。
それを、些細なことだと、切り捨てるのか? ガキの癖に。
エアネスや俺達と一緒にいたいって気持ちは、良く判る。それが、お前にとっての幸福だって云うこともだ。
だがな。死んじまったら何にも始まりはしないと、俺はお前達に、教えて来なかったか?
久し振りに、本気で俺を、怒らせたいか?


長女の反論

父様の本気のお叱りなんて、受けたくもないわ。
そんなつもりで云ったんじゃないわよ。
判ってるじゃないの。小さい時、エアネスと約束した、皆とずっと一緒にいるの、って云うそれがね、私にとっての一番の幸福だって、父様、判ってるんでしょ?
だったら、それでいいじゃない。ほら、ね? 生き死になんて、一番の幸福に比べたら、その程度のこと、だわ。
私達だって別に、私達が死ぬことで、父様や母様を悲しませたくなんかないわ。
でも、それでも。訳の判らない所で暮らすことに比べれば、ここで死ぬことを選ぶ方が、私にはずっとマシ。
………………父様も、母様も、判ってないのね。
私もエアネスも二人の子供なんですから。二人のやってることを見て、育って来たんですからね。
自分達だって、こうと決めたこと、絶対に曲げない、やたらとシリアスな、万年新婚カップルなんだから。判るでしょ? 云いたいこと。

09/08/2002 反抗期?(記載・エドガー)
XXXX年 XX月 XX日

セッツァー…………。
エアネスがいない。
セーラも。
城中探したのに、何処にもいない……。
昨日、頭ごなしに叱り飛ばしたから、かな…。
反抗期で、嫌がらせしてる……な訳ないよね、幾ら何でも。
うん……。やっぱり昨日の親子喧嘩のアレ。
アレの所為、だよね。
一一でも、セッツァー。
あの子達が何と云おうと、私は引けなかったし……。
だって、そこで引いてしまったら、あの子達の命が……。
だけど……あの二人も、誰に似たのか頑固だから、つい、大声出して、怒鳴ってしまって…………。
どうしよう……。
家出? 手に手を取って、逃避行?
こっ……このまま、行方をくらませたまま、帰って来ない、なんてこと…………一一一一。
………………。
セッツァーっっ。どうしようっっっ。
エアネスがっっ。セーラがっっ。

09/09/2002 ……普通に考えれば(記載・セッツァー)
XXXX年 XX月 XX日

………………。
本当にいないな、ガキ共。
何処行きやがったんだ?
エアネスもセーラも、昨日の言い争いのこと、気にするようなタマじゃねえ、とは思うんだが……。
しかし……そりゃ、心の底からそう思って云ったって訳じゃないが、あのまま引き下がってたら、あいつらが死んでくのを黙って見てる、と宣言するのと同じになっちまうからな……。
俺達にしてみれば、引く訳にゃ行かなかったし……。
だが……この状況は…。
普通に考えれば、家出、だろうな。
…っとに、心配ばっかり掛けさせてくれるガキ共だ。
しかし……家出? 何処に?
あいつらにだって友人も知人も、いはするんだろうが……家出して転がり込む程の……ってのは心当たりがねえし。
ティナのトコやロック達のトコってのは考え辛いしな。どうして出て来たんだ、って話になるだろうから。嘘ついてもばれるし。
サマサは遠いし、ドマも遠いし……。
俺に黙ってファルコンは使えないし……となる、と……。
………………本当に、何処行ったんだ? あいつら。

09/10/2002 条件付き(記載・『天の声』)
 子供達がフィガロ城より姿を消して、一週間後。
 一体、子供達は何処へ『家出』してしまったのだろう……と、必死の捜索を続けた両親の願い虚しく、一向にその足取りの掴めなかったお子様ずが。
 心底疲れた、と云う顔をして、ひょっこり、帰城した。
「ただいまぁ」
「疲れたぁ……」
 仲良く二人並んで城門を潜り、正面玄関を潜り、双児の安否を気遣うばかり、一寸ばかり窶れてしまった『母上』と、そんな母上を慰めつつ、子供達に思い馳せてしまい、不機嫌を隠せない『父上』のいる居間へと、子供達は足を踏み入れる。
「エアネスっ!」
「セーラっ!」
 近所をぶらつく散歩から戻りました、てな風情で帰って来た子供達を見付け、両親の絶叫に近い声が上がった。
「父上も母上も、どうしたの? そんなに慌てて」
「……何か、あった?」
 が、お子様達は、どうして己が両親から、そこまで殺気立った声で名を呼ばれるのか判らない、とでも云う風に、きょとんと首を傾げてしまい。
「……当たり前だろうっ! 自分の子供が何も云わずに一週間も姿を消せば、誰だってこうなるっ! 私達に心配を掛けたと云う自覚がないのかっ!」
「…お前等。一寸、そこに並べ。自分達が何をやったのか、判ってるか? 小さい時から云い聞かせて来たろう。ママのことを泣かすような真似だけはするな、と」
 エドガーは心底の怒りを吐き出し、セッツァーは、冷たい眼差しで子供達を見た。
「…………それに関しては御免なさい」
「でもね、云ったら絶対に、出してくれないと思ったの」
 両親の怒りの度合いを素早く察し、お子様ず、一応は殊勝な詫びを入れ、が、けろっと、『家出』の理由を語り出す。
「ほら、一週間前にね、泉の神様の云う通りにするかどうかで、父様と母様と、喧嘩しちゃったでしょ? 私達は絶対に、譲る気なんてなかったし、今もないけど……。父様も母様も、譲るような性格、してないから」
「だから、どうしようかってセーラと話し合って。ちょっと、神様の所に『直談判』しに行ってみようかってことになって。で、城抜け出して、出掛けて来たんだ」
「父様のファルコン『強奪』出来れば、もっと早く往復出来たんだけど。意外にしっかり管理してあるんだもの。チョコボで出掛けたら一週間も掛かっちゃったわ」
「これでも、凄く急いで往復したつもりなんだけどね」
 一一口々に、姿を晦ました理由を語る子供達に。
「お前等………」
「エアネス……セーラ……」
 御両親はがっくりと肩を落とし、襲う眩暈を堪え。
「で……? どうなったんだ? 直談判とやらは……」
 怒る気も失せ、取り敢えずは『成果』を聴こうと、セッツァーとエドガーは、子供達と向き合った。
「成果、ね。芳しいと云えば芳しいけど……。一一あそこの神様って、何でも一つ、願いを叶えてくれるって云うのが、ウリだって聴いたから。なら、僕達を普通の人間に戻してくれって云う願いも有効かなって思ったんだけど……」
「ここに戻って来る途中で、私達のこと追い掛けて来た赤チョコボが銜えてた手紙によると、一寸、ねえ……」
 一一成果を聴かせろ、と。
 怒り心頭の時とは別種の真剣さを浮かべた両親に。
 お子様ずは一転、渋い顔をする。
「一寸?」
 子供達の渋い顔に、両親の顔も曇った。
「……出来ないこともない、けど。条件付きだ、って云うんだ」
「…………ケチ臭いわよね。神様の癖に」
 そしてお子様ずは、益々、顔に渋味を増させ。
「条件……?」
「…どんな?」
 両親は、複雑な表情をこしらえ、互い見合った。

09/11/2002 最大限の譲歩だもん(記載・泉の神様)
双児達の直談判に耳を傾けた泉の神様が、お子様ずへと送った手紙より抜粋。

やっほー。双児ちゃん達。
さっきはご苦労様。
直ぐにお返事してあげられなくって、御免ねー。
いやー、それにしても、ほんっとーに大きくなったねえ。
僕、しみじみ腕組んじゃったよ。
確かに、異常だねー、たった一年で、人間そこまで大きくならないからー。
あははは、御免、やっぱり、何か間違えちゃったみたい。
……って、笑って誤魔化しても、許してくれないよねー……。
一一それで、ねえ。
さっきの君達の、直談判、なんだけど。
んーーー……。んーーーーーーーーー…………。
ま、ね。
この間、君達のパパさんとママさんには、ああ云ったけど……。
他にもう一つだけ、ね。方法がない訳でもないんだ。
一応僕だって、神様やってる訳だし、何でも願いは叶えてあげる、って云うのが僕のウリだからねー。
だから、君達が、人間として生きたいし、この世界に留まりたいから、何とかしろ、って云うなら……まあ、僕だって努力するけどー。
人間ってよく誤解するんだけど、神様もねー、万能って訳じゃないんだよねー。
三柱の神様、ぶっ倒したパパさんやママさんに聴いてみれば、良く判るよー。
神様だって、倒されるんだからねー。神様、万能じゃないんだー。
だから、ね。
君達の願いを叶えるのは吝かじゃないけど。
条件が付いちゃう。
君達を人間に戻そうとしたら、も、根本的に何とかしなきゃいけなくなるから。
君達、一年前の赤ん坊だった頃まで、戻っちゃうんだけど。
ああ、人間界で一年は生きてるんだったねー。だったら、その一年が加算されるから、赤ん坊じゃなくって、一才児に戻っちゃうのかなー。
…………それでも、構わない?
構わないなら、そのセンで叶えてあげるよー。
……あ。
それでも、又失敗しちゃったら、御免ねー。

09/12/2002 親子の会話

「………………どうする気なんだ?」

「どうするも、こうするも……ねえ、セーラ?」

「そうね。赤ん坊に戻っちゃうって云うのは、一寸嫌だけどね」

「この一年の記憶も、なくなっちゃうんだろうしね」

「……俺は余り……納得行かないがな」

「仕方ないじゃないか。そうでしょう? 父上」

「私達は、ここから離れたくないの。父様と母様置いて、知らない世界になんて行きたくないわ」

「でも……」

「大丈夫だよ、母上。きっと、大丈夫。赤ん坊に戻ったって、僕達は僕達……なんだと思うよ」

「だが、お前等……一一」

「平気よ。この一年、父様と母様がしてくれたことを、もう一度だけ、お願いします。そうすればきっと又、私達は私達よ」

「だけど……お前達は本当に、それでいいのかい……?」

「だって、他に選択肢がないもの。ねえ?」

「そうね。きっと、何とかなるわよ。だからね。父様も、母様も、別のこと心配して」

「別のこと……?」

「うん。……うん、僕達は、何があっても僕達なんだと思うから。又ね、きっと僕は泣き虫で、母上に縋って泣くんだろうし、セーラは僕を苛めるのが日課で、父上のファルコンに忍び込んで悪戯するんだろうから」

「大変ね。父様も母様も。おんなじこと、ニ度もさせられて。でも、『手加減』なんて、してあげないんだから」

「エアネス……」
「セーラ……」

「一一僕達がもう一度大きくなった時。この一年の話を、沢山聞かせてね。じゃあね、父上、母上」
「私達が必ず、思い出せるように。又ね、父様、母様」

「え……?」
「おい…?」

「僕達」
「私達」

「もう、行くから」

09/13/2002 それから
XXXX年 XX月 XX日


「マァマァーーーーーーーっ! せーらがいじめるぅぅぅぅぅぅっっっ。ぼくこと、ぶつぅぅぅっっ」
「セーラっ! いい加減にしなさいっ! エアネスを叩くのは止めなさいと、云っているだろうっっ」
「せーら、わるくないもんっっ。えあねすがわるいんだもんっ。せーらのいうこときかないからっっ」
「エアネスっ! お前もお前で、何時までも泣いてんじゃねえっっ。お前は男だろうがっっ」

 一一『あれ』から、一年。
 一年前、泉の神様が提示した、『交換条件』を飲んだお子様ずは。
 翌日の朝には、『無事』、一才児の姿へと、二人揃って戻った。
 それは、一年間に渡り、うーん、家の子達って、一寸異常……と思いつつ、頑張って慣れぬ子育てに励み、何だかんだと云いつつも、我が子達を、かいぐりかいぐり可愛がって来た一一それを端から表現すると、子煩悩、とか親馬鹿、とか過保護、とか云うのかも知れなくとも一一御両親にしてみたら、ちょっぴり処か、かなり激しく落胆してしまう現実だったけれども。
 しかしながら、子供達が消えてしまった訳でもないし、苦渋を飲んで、泣く泣く選択するしかなかった、『里子』に出す、と云う話も立ち消えたしで。
 御両親、日を追うごとに、ま、いっか、てな気分にもなったし、碌に喋れもしない子供達の世話に、再び追われることになったから、そんなこと、気にしている暇もないしで、今日も今日とて、騒がしい日々を送っている。
 お子様ずは、相変わらずだ。
 うるさいこと、この上ない。
 エアネスは、セーラに苛められてビービー泣き出し、ママァっっっ! ……と、エドガーに縋り付くのが日課だし。
 セーラは、エアネスはあたしのっっ! と宣言して歩いては、いい加減にしろと、セッツァーにお尻をぶたれるのが日課。
 あのままエアネスとセーラが成長し続けていたら、もう一寸で『曾孫』一一そう云う認識もどうかと思うが一一と、お子様ずに掛けていた過剰な期待が裏切られて、暫くの間落胆していたじいやとばあやも、立ち直ったし。
 多分きっと、このまんまのノリで。
 ニ年前、砂漠のお城に赤チョコボが届けたお子様ずは、成長していくんだろう。
 去年一年間に、凄まじい早さで彼等が体験したことを、今度は、ゆっくりと、相応の時を掛けて。
 ま、尤も、相応の時間を掛けてお子様ずが成長したとしても、それ相応に、御両親が『御両親』として『成長』するかは謎だが。
 大抵の場合、子は親を追い抜いていくものだし。
 ……とは云え……ここの家庭の『両親』をお子様ずが追い抜いてしまったら、果して如何なるガキンチョになってしまうのか、想像すると、ちょーっと恐ろしい気もするが……まあ、それは置いといて。

「せーらーぁぁぁっ。ぱぱが、ぼくのこと、しかるぅぅぅぅっっ。おとこのこなのになくなって、おこるぅぅぅっっ」
「えあねすぅぅっ。あたしはわるくないのに、ままが、おにみたいなかおしておこるぅぅぅっっ」

 御両親に叱られて、結局は互いを頼るお子様ずは、とおても仲が良いようだし。

「エドガー。……俺はそんなに理不尽なことを、云ったか……?」
「セッツァー。…怒ってる時の私の顔って……鬼に見える……?」

 御両親は御両親で、相変わらずだし苦労も絶えないようだし。
 一一きっと、この御家族、末永く、幸せに暮らして行くのだろう。
 同性同士、と云う、ちょーっとばかり尋常でない御夫婦であり、御両親であり。
 脳天気な神様に授かった子供達、と云う、やっぱりちょーっとばかり尋常でないお子様ずと云う、組み合わせではあるが。
 末永く、お幸せに。


End
 


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