後書きに代えて

如何でしたでしょうか。

brightring-firefry・異聞。

ルカ・ブライトが生き延びたケースを扱った、brightring-firefryの別次元小説でした。

生き延びたと云いますか、正確には、生かされたケースなんですけども。

メインが、シュウさん主役でしたので、こちらは、どちらかと云うと、一寸ルカ様主体になりました。

──小説の中で、盟主の少年が云った事。

「……ねえ。ルカさんって、何をしたのかな」

この台詞は、私自身も思った事です。

彼は一体、何をしたんでしょうね。

彼のした事は、悪鬼にも劣る行いなのでしょうけれども。

さて、彼は一体、何をしたのでしょう。

この物語には、二人に幸せになって貰おう、と云う目的の他に、ルカ様に、死ぬ程後悔して頂く、と云う目的もありました。

お子様達、やる事結構きっついです。

でも、人間は変わる事が出来ますのでね。良くも、悪くも。

まあ、お子様の事は、brightring-firefryの、お子様ずバージョンにて。

あ、でもね。元々、ルカ様生き残らせてみよう、と云う発想に至った理由の一つに。

ゲームの中の、ルカイベントで見た、映像、と云うのがあります。

暴君、狂皇子、と散々云われていたルカ様でしたが。

そんな彼を、名もないハイランドの兵士達が一人も逃げず、庇った映像、あれを見て、ルカ様、生き残ってもいいかも知れない、と思ったワタクシです。

名もなき──言葉は悪いですけどね、『雑兵』は。

真実思う何かがなければ、将を庇ったりはしないから。

元々の『brightring-firefry』の中では、唯、傷の舐め合いだけをして、何も気付く事が出来ぬまま、終わってしまったお二人でしたが。

こちらでは、時間も、風景も、人生も、止める事のなかった、お二人が描かれています。

光る螢の輪を、きっと彼等はこれからも、一緒に見て行く事でしょう。

──皆様。

最後まで、お付き合い、どうも有り難う。

2002.11.02 自室にて

海野 懐奈 拝