カナタとセツナ ルカとシュウの物語
『まほろばの罪体』
バナーという名の小さな村の池の畔で、デュナンの大地にて、今は亡き国ハイランドとの戦争を戦い抜いていた同盟軍の盟主、という立場だったセツナが、それより遡ること三年前に起こった、トラン解放戦争の英雄、という肩書きを持っていた、カナタ・マクドールと出逢って。
百年と、僅かの時が過ぎた。
戦争が終わって、平和を得て、当てがあるとは言えぬ旅に身を投じ、歳月が流れた今も尚、彼等は、殆ど片時も離れることなく、寄り添っている。
巡り逢って、丁度五十年目の年に、初めて接吻を交わし、百年目の年に、初めて躰を重ね。
それより、数年の年月を経た、今も尚。