何処で何をどう間違ったのか、惚れちゃった相手は男だったけれどっ!
でも、好きになっちゃったんだし、そんなこと今更どうしようもないし、好きって云ったら相手も好きって云ってくれたし、ちゅーもしちゃったしっ!
想いは叶ったんだから、しつこいようだけど、ちゅうだってしたんだから、どうせなら、『きちんと』結ばれてみたいしっ!
目指せ、Let's stepup!
…………と。
固く固く、心に誓い……と云うか、心で叫び。
好き合った相手と『きちんと』結ばれる為。
某国の、ちょーーーっと大衆的過ぎる酒場で、遊び仲間に教えを請うたセッツァーと。
自国の、己が侍医を捕まえて、知的好奇心と言い張り、教授を受けたエドガーは。
両者共に、それぞれの場所にて、それぞれの相手に、
嘘でしょ? 冗談でしょ? からかってるのよね、お願い、嘘って云ってっ!
……なんて、ちょっちナヨナヨしく縋りたくなっちゃうよーな、彼等が晴らしたかった疑問に対する、晴天の霹靂、衝撃の真実、を聞かされ。
脳天に、クワワン……と金タライの直撃を受けたかの如くの、驚愕を覚え。
遠く離れていても、二人はとっても仲良しさ、を証明するように、揃って寝込んだ。
因みに、セッツァーが二日間、エドガーが二日半。
これが、真実を聞かされた彼等がベッドの中で、うんうんと唸っていた時間である。
だが。
片や四十八時間、片や六十時間、に及ぶ、憔悴と葛藤の時を経て。
悩んでみたって人生なんて始まりゃしないし。
眩暈を起こしてみたり、知恵熱出してみたって、事実が覆る訳じゃないし。
うじうじしてるのなんて、はっきり云って、時間の無駄だし。
惚れた相手と『何とか』なって……と云うよりも、『何とか』して、幸せってー物を掴みたいんなら、前進あるのみ。
……と、ああ、貴方達ってやっぱり、仲が良いんですね、打ち合わせた訳でもないのに、同じ結論に辿り着くなんて、と外野的には呆れた風に云いたくなるだろう結論を得て。
一寸、教えられた『事実』に、真っ向から立ち向かう根性も気合いも、未だ持ち合わせていないけれど、現実をすんなり受け入れたら……、と考えるだけで、さぁぁ……っと血の気は引くけれど、千里の道も一歩からっ! ……って。
寝込んでいたベッドから起き上がった後、彼等は、弛まぬ前進を、続けようと決めた。
……が、しかし。
彼等が必死こいて固めた、『弛まぬ前進』、とやらは。
ほんの少しばかり、遠回りと云うか、……馬鹿? と云うか、まあ、有り体に云えば、本人達は真剣だけど、端で見ている周りは、大丈夫? ……と思わず、云いたくなってしまうような前進、だったから……一一。
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