XXXX年 XX月 XX日
何が何だか、俺には説明されても、さーーーっぱり、な理由で、どうやら、兄貴とセッツァーの間に、赤ん坊が出来たらしい。
それも、御丁寧に、二人。
しかーも、男女セットで。
泉の神様の前で冗談で云ったことが本当になって云々って経緯は、俺も聴いたけど。
頭から信じろって云われたって、信じられないよ、そんな馬鹿げた話。
だから、何が何だか、俺には判らない理由でってことになっちゃうんだけど。
でも、現実問題、兄貴に良く似た女の赤ん坊と、セッツァーに良く似た男の赤ん坊がいるから、認めなくっちゃいけないのかなあ……。
じいやと、それにばあやは、兄貴の子供ぉぉぉっ! って、日々浮かれまくって、赤ん坊達、構うのに忙しそうだし。
兄貴も、満更じゃないみたいだし。
セッツァーはセッツァーで、すっっっっっっっごいシブーーーーーーーい顔しながらも、子供達のこと、つっついてるから、ま、いいか。
この騒ぎでなし崩しに、セッツァーの奴、城に住むことにもなったから、兄貴は幸せそうだし一一本当はなし崩しじゃなくって、じいや&ばあやの猛烈勇猛果敢アタック、別名を、『家の陛下に手出した挙げ句、子供までこさえた癖に、責任も取らないのか、おんどれは』って云う『説得』と、あーりゃ、誰も逆らえないよな、って云う、兄貴の強烈な『微笑みおねだり攻撃』の所為なんだけど、怖いから、そんなこと、大声で言えない一一、皆がそれでいいってなら、俺は何も云わない。うん。
甥っ子と姪っ子は、結構可愛いもんだし。
……でも。それにしても、不気味だ……。
どうやら、兄貴が母親ってことになってるらしいんだけど、その『母親』はあれでも国王だから。
執務だ議会だ外交だ云々で、今まで通りの、忙しい身だからね。
必然的に、こんなぐにゃぐにゃな生き物になんて、触りたくもないっ! って顔のセッツァーが、子供達にミルクやって、おしめ変えて、ぐずったら、だっこしてあやしてるんだけど。
……もう、兎に角、すっっっっごい、不気味。その姿が。
出来れば一生涯見たくなかった、と思う程、あの姿のセッツァーは怖い。
死ぬ程、似合ってないし。
あ、でも。
ぎゃんぎゃん泣く子供達に手を焼いて、ひょいってセッツァーが『担ぎ上げる』度、じいややばあやに、抱き癖が付くっ! とか、その泣き方はぐずってるんじゃなくって、お腹が空いた泣き方っ! とか云われて、そりゃあ『懇切』に、育児の『指導』されてる姿は、見てて一寸…いや結構、愉快。
育児に関しての知識なんて、セッツァー、皆無だもんね。
楽しいなあ、あいつがいびられてる姿ってっっ。
……………そうそう、処で。
一つだけ、物凄く、不思議なことがある……。
何か……あの子供達……何か……やけに……一一一一。
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