──?????──
──龍斗──
闇のみの中で、突如、鈴の音が響いた。
リン……、リン……、と鈴の音は響き続けた。
……私は死に逝く筈なのに。
共に貫かれた京梧と共に、常世に向かう筈なのに。
何故、鈴の音が……と、私は聴こえてきた音を訝しんだ。
『緋勇さん……』
──と、鈴の音に続き、女人の声が耳に届いた。
……その声は…………────。
『私は、比良坂────。現世と常世を繋ぐ糸を紡ぐ織り姫』
────そう、その声は覚えの通り、比良坂の声だった。
『陽には陰が────。陰には陽が────。その氣────相交わり大極となる。大極以て、邪を討ち祓わん』
何時しか、闇のみだった『そこ』は光に塗り潰され、光の向こうには、比良坂らしき、薄らとした女人の姿が浮かび上がっており。
薄く浮かぶ彼女は、ひたすら、私に語り掛けてきた。
『貴方は、未だ、此々に来るべき運命ではありません。貴方の宿星は、未だ燃え尽きていないのですから。──仲間を探しなさい。貴方の『力』となる仲間を探すのです。仲間を…………────』
────彼女の語り掛けは、滔々と、そんな風に続き。
私の気は、再び遠くなった。