禁断の恋愛10題 +Ver.A+

8. 精一杯演じる『自分』

幸せになりたいなと、そうは思うけれど。

でも、『幸せ』って、言葉にするよりも簡単なことじゃなくて、何よりも、僕の望みたい『幸せ』は、多分『幸せ』として叶わなくて、だから、『幸せ』じゃなくてもいいかな、なーんて、思ってみたりもしてるけど。

やっぱり僕は、それでも心の何処かで、幸せ、を望んでいるのかな。

『幸せ』になれなくても、何がどうなっても、別に構わないと思っているから、全てのことは在るがまま、そうやって、構えていればいいのに。

何となく僕は、自分を取り繕わないではいられない。

僕はこうして『普通』にしてる、僕はこうして、『何にも捕われず』、唯前だけを見てる、そんな風に。

あの人の中に、『幸せ』の拠り所を求めてる、それを見せてしまったら、幸せも『幸せ』も、掻き消えてしまう気がして。

僕の思う、『幸せ』じゃなくてもいいや、っていうそれが、本当の本当になってしまいそうで。

誰のことも。

何のことも。

僕は想ってなんかいない。

……そんな風に、自分で自分に、僕は、精一杯演じてみせるしか、なくなる時がある。

『幸せ』になれなくてもいいや。

幸せが、幸せじゃなくてもいいかな。

幸せになれないこと、それが幸せなら、それでもいいかな。

…………本当に、そう思うなら。

心、決めちゃえばいいのにね。

僕のことなんだもん、僕の心、一つなのにね。

End

後書きに代えて

うーん、短い。

躊躇い2主君。

──それでは皆様、宜しければご感想など、お待ちしております。